スキンケアにおいて、保湿は最も重要なステップのひとつとなります。

しかし、誤った保湿ケアをすることでかえって乾燥したり、ベタついたり、肌トラブルを起こすことがあるんです。

悩める30代女性

保湿が大事なことは知ってるけどアイテム全てを使った方がいいのかしら?

なくなんとなく化粧水、乳液、最後はクリームでフタをするというイメージを持たれている方は多いのではないでしょうか?

おはな

万人に当てはまる正解はなくて、全部使わないと保湿できないわけではなく、むしろスキンケアアイテムを重ねるほど肌に触れる回数が増え、摩擦の原因になることもあります。

肌トラブルを避ける意味においては、スキンケアは極力シンプルにすることが何よりですが、足りてないと感じる成分を補ったり、保湿ケアを楽しむといった目的もありますよね!
肌質や年齢、季節、環境に合わせて保湿アイテムを足したり引いたりしてください。

この記事をおすすめしたい人
  • 保湿をどこまでやったらいいのかよくわからない
  • 各保湿アイテムの違いを知りたい
  • エイジングで肌の乾燥が気になる
  • インナードライ

この記事では、保湿の重要性と、効果的な保湿ケアのポイントを詳しく解説していきます。

1. 保湿の重要性

健やかで美しい肌を保つ上で保湿ケアは以下のような役割を果たしています。

バリア機能を保ち肌トラブルを予防する

肌は常に紫外線、花粉、大気汚染、冷暖房などの外部刺激にさらされています。バリア機能が正常に働いていれば防御機能が働きますが、乾燥でバリア機能が低下していると外部刺激を受けやすい状態になり、肌トラブルを起こしやすくなります。
保湿ケアはバリア機能を維持する役割をします。

角層の水分を補い維持する

クレンジングや洗顔後は汚れを落とすとともに角層内部の水分や皮脂までも洗い流してしまいます。保湿することで不足した水分や油分を補い、蒸発を防ぐ役割をします。

肌の状態を綺麗に見せる

角層の水分、油分がじゅうぶんに保たれていると、肌のキメが整い、ハリやツヤ、透明感がでてきます。弾力が保たれるとシワが目立ちにくくなることも!乾燥した肌は硬く肌ざわりがごわごわしてきます。
保湿することで柔軟な肌へと導く役割をします。

2. 保湿ケアの基本アイテム

保湿剤は基材と成分によってテクスチャーの違い、役割があります。

化粧水
  • 水分を肌に補給し、角層を整える役割を果たします。
  • 主にヒアルロン酸やグリセリン、セラミドなどの水溶性の保湿成分が含まれることが多く、水分を保持し、次に使うアイテムの効果を高めてくれます。
  • 油分も含む乳液やクリームに比べると保湿力は低いですが、スキンケアの導入として使用されることが多いです。
乳液
  • 水分と油分をバランス良く含み、水分の蒸発を防ぐ役割を果たします。
  • 乳液には、ジメチコンや植物性オイルなどの油性成分が含まれることが多く肌を柔らかくし、なめらかに整えバリア機能を強化します。
  • クリームに比べると油分は少なく肌馴染みの良いテクスチャーのものが多いです。
クリーム
  • 肌表面に油膜を形成し、水分の蒸発を防ぐ役割をします。
  • 皮膜の役割を補助し、肌に潤いを長時間維持することができます。特に皮膚の薄い目周りや口周りなど乾燥しやすい部位にはクリームが効果的です。
  • 冬に乾燥を強く感じる人や皮脂分泌量が少ない人にはおすすめアイテム!
    逆に脂性肌やニキビができやすい人にはベタつきを感じたり毛穴を詰まらせやすくなるので要注意。
  • 乳液よりも油性成分が多めでやや硬めのテクスチャーが特徴です。
オイル
  • ほぼ油性成分で成り立っていて、水分蒸発を防ぐ役割を果たします。
  • ミネラル系、植物系、動物系のオイルがあり、サラッとしたものからこってり重めのテクスチャーまで好みに合わせて選ぶことでできます。
  • 乳液やクリームでは保湿が追いつかないような乾燥のひどい人には効果的ですが、脂性肌やニキビができやすい人は要注意。
  • オイル成分によっては抗酸化作用や美白作用といった美容効果が期待できるものもあります。

3. 保湿ケアのポイント

保湿アイテムは必ずしも化粧水、乳液、クリーム、オイルといった全てを使う必要はありませんが、化粧水のみだと水分は蒸発しやすいので油分を含むアイテムも取り入れましょう!

クレンジングや洗顔の直後に保湿する

洗顔後は皮脂膜が取り除かれ、一時的に角層内部の水分や皮脂が逃げやすい状態となっています。
洗顔後すぐお肌に必要な水分を補い、蒸発を防いで乾燥肌対策をしましょう。
皮膚科的には洗顔後5分以内と指導されることがありますが、いち早く保湿ケアすることがポイントです!

肌の状態をみて保湿剤の種類を選ぶ

保湿アイテムをラインで全て取り入れないといけないルールはないですし、最適解もありません。
使用する際は水分量多めのアイテムから油分量多めの順番で重ねていくのがポイント。

化粧水で刺激を感じる敏感肌の人は使う保湿剤をシンプルにして肌への負担を極力減らしましょう
乳液でさえも沁みるような時はセラミドといったシンプル成分のクリームやワセリンのような基材で保湿することをおすすめ!

各アイテムの特徴を知って、自分の肌質や季節、使用感に適したものを選ぶことが大切です。
秋冬の乾燥がひどい場合はクリームやオイルでしっかり水分蒸発を防いであげたり、ベタつく季節にはサラッとしたテクスチャーのローションや乳液を選ぶといいですよ。

保湿を重ねすぎるとメイクよれが生じることがあるので朝のクリーム、オイル使用時は要注意

適切な量を使用する

角層はサランラップ1枚程の薄さで水分を吸収できる量は限界があるので、化粧水をバシャバシャと何度もつける必要はありません。
適量を使用して、内側から外側に向かって優しく馴染ませる感じでハンドプレスすることが大切です。コットンを使用したり、パッティングするのは摩擦の原因になるので避けましょう。
塗り込む必要もありません。

乾燥が気になる目周りや口周り、頬には、重ね塗りが効果的です。

4. エイジングケアにおける保湿

40、50代のエイジングにおいては、セラミドの生成量や皮脂分泌量が減少することで、肌の水分保持量が若年期に比べ半分ほどに減少しますハリ不足や乾燥、シワの原因となってくるので、保湿ケアの重要性は高まります。


保水力の高いヒト型セラミドやナイアシンアミド、ヒアルロン酸といった成分が肌の水分維持に期待できます。
老化予防に有効なコラーゲンや抗酸化力の高いビタミンC誘導体、アスタキサンチンなどの美容液も日々のスキンケアに取り入れることをおすすめします!

まとめ

保湿はスキンケアの基本であり、健やかな肌作りのために欠かせないステップです。
角層を整え、バリア機能を維持する役割をします。
使うアイテムは、肌状態や環境、季節に応じて選び、足したり引いたり調整を。
オーダーメイドの保湿ケアを楽しみながら、トラブル知らずのお肌を手に入れましょう!

参考文献
オレオサイエンス 2001 年 1 巻 3 号

化粧品におけるスキンケア製剤の役割 岩井秀隆